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甲種防火管理講習を受けてきた感想

先日、甲種防火管理講習を受けてきました。

 

 

受けた理由は、会社で管理しているビルへ選任していた前任の防火管理者が退職したため、急きょ必要となったからです。

 

急きょといっても、講習日程自体はあらかじめ決まっているため、すぐに講習を受けられるわけではありません。ですので、直近の講習日を選択しました。日本防火防災協会等のホームページで確認ができます。

 

甲種防火管理新習とは

甲種防火管理講習とは、その用途、規模、収容人員にかかわらず、すべてのビル等の防火対象物において防火管理者になるための資格を得る講習です。防火対象物とは火災予防の対象となる建物や建築物などのことをいいます。

ほかにも、乙種防火管理講習というのもありますが、比較的小規模な防火対象物に限られるため、甲種防火管理講習を受講したほうが無難です。イメージとしては、映画館やショッピングモールのような大規模な建物や大きなお店の防火管理者に選任される場合は甲種防火管理者講習、個人で営業している飲食店や小さなビルの場合は乙種防火管理者講習といったところ。実際には面積や収容人員の要件が具体的に法令で決められています。

つまり、防火管理講習の中に甲種防火管理講習、乙種防火理者講習があるわけです。

防火管理者講習は都道府県知事や消防署、日本防火防災協会等が実施します。

東京都や長野県、石川県、滋賀県、鳥取県、千葉市、横浜市、大阪市などは消防署等が主催している場合がありますので、お問い合わせをした方が良いです。

消防署等主催の場合は申込書、申込方法、受講料などが日本防火防災協会と異なりますので要確認です。

 

防火管理者とは

先ほど出てきた、防火管理者とは消防法第8条第1項に基づき防火管理業務災害予防管理・災害活動管理を行うため、社長やビル所有者などの管理権限者から選任された防火管理の責任者です。防火管理者講習を受講して、修了書を取得した資格者が選任されるわけです。

 

防火管理業務と災害予防管理・災害活動管理とは

防火管理業務とはざっくりと以下の2つのことを言います。

①防火管理に係る消防計画の作成

消防計画とは火災予防のために行わなければならない事柄や火災発生時に行わなければならない事柄が記載されていて、従業員全員がこの消防計画 により防火管理上の業務を行わなければならないという拘束力を持った消防上の基本原則となる計画書です。

②消防計画に基づいた防火管理上の業務の遂行

具体的には、消火訓練、避難訓練、消防設備の点検・維持管理、火気取り扱いの監督などとしての防火管理業務の遂行です。

 

災害予防管理とは、出火防止のための火気の管理や建築物・設備の点検、従業員の教育などの災害予防のための管理活動です。災害活動管理とは、万が一の火災などの災害時に備えて自営的な消防組織を編成して、定期的に訓練を行う活動です。火災のときは、自衛消防活動を行います。自営的な消防組織とは、例えば、会社内でいうと、社長を消防隊長として指揮監督を遂行し、他社員をそれぞれ通報連絡班、消火班、誘導避難班、応急救護班などと役割を決め編成する組織です。自営的な消防組織を決めておくことで、万が一のときにスムーズに活動できるのです。

 

甲種防火管理講習の申し込み(日本防火防災管理協会の場合)

まず、受講日は防火管理協会や指定の2日間です。

ざっくりと、午前9:20から4:30ごろまで。昼食は12:00~13:00.

詳しくは日本防火防災協会のホームページ等で確認します。

 

申し込みは、専用の申込書式を防火防災管理協会からダウンロードして、必要個所を記載します。その際、証明写真を張り付けますので、申込書の指示通りのサイズの証明写真を1枚貼り付けます。

受講費用6500円を指定口座に振り込み振り込みの控えの原本またはコピーを申込用紙に貼り付けます。次に、完成した申込用紙を防火防災管理協会へFAXします。FAX後に受講番号を確認するために、防火防災管理協会へ電話で問い合わせします。受講番号を確認後、申込用紙の受講番号記載欄に、受講番号を自分で記載して、この申込書は受講日当日に持参します。申込書は受講票も兼ね、また、受講2日目に回収されますのでなくさないように気を付けましょう。

 

受講日当日

当日、持参するものは、申込用紙と筆記用具。ノートもあると良いです。申込用紙を当日忘れたり、写真が欠損している方がいるようなので、事前に確認しましょう。

昼食は室内で食べることができますので、コンビニで買っておくのも良いです。講習当日の受付付近で事前にお弁当の引換券の販売もしている場合があります。500円位です。特に会場から出ない場合は、事前に引換券を購入しておくと便利です。

 

講習

講習は、午前2時間、午後3時間半で講師が変わり受講します。

一応、自分が受けた講習のスケジュールですので目安までに。

 

1日目

9:20~9:50   受付

9:50~10:00  オリエンテーリング 講習の案内

10:00~12:00 防火管理の意義と制度と概要 途中10分間の休憩あり

12:00~13:00 お昼

13:00~15:00 火気取り扱いの基本知識と出火防止策 途中10分間の休憩あり

休憩10分間

15:10~16:40 施設・設備の維持管理

 

2日目

9:20~9:50   受付

9:50~12:00  自衛消防 途中10分間の休憩あり

12:00~13:00 お昼

13:00~15:00 防火管理の進め方と消防計画 途中10分間の休憩あり

休憩10分間

15:10~15:30 効果測定(テスト)

15:40~      修了証配布・事務連絡

 

受講後は効果測定というテストがります。10問中6問以上を正解しないといけないのですが、きちんと講義を聴いていれば、先生がポイントを話してくれます。受講したこの日はテキスト参照も可能でした。ですので、きちんと聞いていれば得点は取れるはずです。無事受講も終了後、テストも合格点を取れて修了証を頂きました。

おかげさまで資格者になれました。

 

感想

まず、甲種防火管理講習を受講して、防災意識の必要性や日頃の訓練が火災の被害を最小限にとどめるなんだなって強く感じました。

講義内容自体も資格を取るためだけでなく、日頃の生活で役に立つ内容です。ですからしっかりと講義を聞いておけば火災等防災の意識も高まりますし、火災時には何をすればいいのかをきちんと理解することができます。

火災の仕組みや消火の仕組み、火災の恐ろしさも改めて理解することができます。

避難方法もきちんと理解していないと火災時に煙や火の方向へ行ってしまう可能性があり、生死にかかわってしまいます。以前放送していたテレビでの実験を思い出したのですが、人は集団心理や追従性が働き、避難誘導灯があるにも関わらず、間違った方向でもみんなが逃げる方向へついて行ってしまう性質を持っているそうです。このことが被害の拡大になったりしてしまうわけですが、火災時に正しい判断をして避難できる知識を持っていることが一人でも多くの人を救うことができると感じています。

また、普段ほとんど手にすることがない消火器の使い方や、あまり目にすることがない消火設備の仕組みや取り扱い方法を知っているのといないのでは、万が一の時の動き方が変わってきます。人はいざ災害が起こると、焦ってしまい頭が真っ白になってしまうものです。小さな火種の段階で消火できたはずなのに、頭が真っ白になり消火器や消火設備の使い方を間違えたり、わからなくなってしまうことで火災が大きくなり、さらには119番への連絡が遅れて被害が大きくなってしまったケースもあります。

火災の被害を学んで痛感したことは、火災というより、人災であること。ちょっとしたことが火災の原因になってしまったり、放火をされてしまう原因になったりすることがある。火のもとには注意し、火気の近くには可燃物を近づけないことや、階段などの避難経路には物は置かない、夜の工事現場は閉鎖すること、夜間に段ボールなど燃えやすいものは放置しないなど防災意識が必要なのだと思います。

会社組織でビルを所有している場合やお店を運営している場合、防火管理者が選任されています。防火管理者がしっかり責務を果たしていることで、究極的には会社を守ることもできます。

 

火災等災害は無いに越したことはありませんが、万が一に備えて、講習を受講するのも良いことだと実感しています。