仕事

農産物直売所での経理の仕事とは?体験談をお伝えします。

今回は、農産物直売所で経理の仕事を6年間従事してきた体験談を、農産物直売所で経理を始めようという方の参考になればと思いお伝えしていきます。

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まず、ここ最近は、農産物直売所の数が増えてきて、道の駅や農産物直売所の専用店舗が増えてきています。

 

その分、地元農家である生産者や従業員として地元の方々の雇用を生み、地方の活性化にも貢献しています。

 

農産物直売所での仕事は、売り場に出ている社員やパートさん、アルバイトなどの従業員が花形のように感じますが、経理はその、売り場と農産物直売所の運営を支える立派な誇りある仕事です。

 

例えば、売り上げの管理から、現金預金管理、入出金、釣銭準備金の管理、仕入れ等の経費の支払い、売掛金の回収、勘定科目の仕訳け入力、決算業務、給与計算、生産者へ売上金から販売手数料を差し引いた金額の精算など、簿記や税務、労務の知識を必要として、時には、一か月間の試算表(簡単に言う売り上げと支出と利益の表)を作成し(会計ソフトで自動計算してくれます)代表者や顧問税理士に渡して、経営分析にかかわったりもします。

 

基本的に決算は顧問税理士がしてくれますが、決算整理仕訳までは業務としてこなします。

 

農産物直売所の販売形態

農産物直売所は、スーパーと違い野菜を生産者から仕入れません。

 

販売用の棚を貸して、その売り上げの一部を販売手数料としていただくという形式をとっています。

 

つまり、直売所自体には廃棄ロスがないということ。

 

朝採った野菜を、生産者が農産物直売所まで持ってきて、棚に陳列します。

 

売れ残った野菜は生産者自身が閉店時に引き上げに来ます。

 

もちろん、季節柄、生産できない野菜は仕入れます。

 

お客様の要望もありますから。

 

ただし、数は少なく、あくまで、生産者の野菜の出荷量や種類では不十分だったときの補填として。

 

農産物直売所は他にも牛乳や漬物、米、出荷野菜用の袋などを仕入れをして売ったりもします。

 

販売手数料は?

生産者からの販売手数料は売り上げの15パーセントから20パーセントです。

 

仮に、仕入れがなかったことを想定すると、1億円を売り上げた場合は1500万円から2000万円が販売手数料ということ。

 

農産物直売所の規模を大きくすれば、出荷野菜を増やすことも可能ですし、集客さえできれば、その分売り上げも増え、販売手数料も多く残ります。

 

もちろん経費や人件費などが膨らみますが、ビジネスとしての面白さは増していきます。。

 

例えば、10億円売り上げれば、1億5000万円から2億円の販売手数料が受け取れるわけです。

 

ちなみに、通常は仕入れ品も販売しますから、売り上げや利益は増えます。

 

と、ここまで、農産物直売所の販売形態と手数料について書きましたが、では、経理の仕事はどんなものか。

 

本題にいきましょう。

 

農産物直売所の経理

基本的には、生産者から売り上げを預かるということを除けば、販売形態をとっている会社の経理と変わらないといえます。

 

あと、農産物直売所の経理の仕事でも言えますが、経理をする上で現場の仕事の流れを知らないと、勘定仕訳け業務なども十分にできないといえます。

 

例えば、棚卸商品では、単に納品書を見ても、どんな野菜なのか、どんなサイズのレジ袋や出荷野菜用の袋なのか、パッとイメージが湧きませんよね。

 

また、領収書記載の但し書きを見てだけでは、何を購入してどんな使われ方をしたのかわからないこともありますよね。

 

消耗品でいえば、どんな消耗品が売り場や事務所で必要なのかを理解していることで、仕訳け業務も円滑になりますし、正確性が増します。

 

公認会計士も書類をチェックする前には現場を確認するぐらいですから。

 

ですから、経理の仕事は、経理業務のほか、売り場や、生産者のことを理解するなど幅広いで分野まで及びますが、農産物直売所全体を見渡せる唯一の仕事ですから、やりがいも大きく、貢献度も高いです。

 

一日の業務(給与計算等の特殊業務がない日)

 

前日の売上金をまとめて銀行に入金します。

 

前日のうちに銀行の夜間金庫に入金する場合も直売所によってはあります。

 

勘定仕訳業務として、会計ソフトを使い、売上や、領収書の出金の仕訳入力。

 

従業員に小口現金を立て替えて支払ってもらった場合、小口現金を精算。

 

そのほか、現金、預金の入出金があれば、その都度仕訳。

 

仕入れ品がある場合は、納品書を確認しながら、納品数と金額が合致するかチェックして、納品書のファイリング。

 

時間があれば、売り場に立ちます。

 
一週間の流れ  

 

日常業務に加えて、手数料を差し引いた生産者への売上金の送金処理があります。

 

1週間分を月曜日にまとめて送金します。

 

手数料計算と生産者への振込額の計算は、レジと連動した専用ソフトをインストールしたパソコンが自動で算出してくれます。

 

このパソコンには生産者ひとりひとりの口座番号などがデータとして入力されていますので、売り上げの集計期間さえ間違えなければ、ほとんどは自動算出になるわけです。

 

電算センターという売上金精算の集中サーバーを銀行やJAが持っています(直売所立ち上げ時には契約済)ので、オンラインでの送金処理で完了です。

電算センター使用の手数料は引き落としで支払うことになりますので、後日使用分の金額明細書が送られてきます。

 

二日後には生産者に振り込みが完了します。

 

もちろん売り上げを各生産者に返したという仕分け処理も会計ソフトを使い入力します。、

 

釣銭準備金を用意します。

 

土日・祝日はお客様が多くなり、売れる野菜も増えます。その分の釣銭準備金を多く用意しないと、土日は銀行が休みですので、釣銭切れになってしまいます。

 

木曜日くらいには釣銭準備金を銀行に手配をかけて、金曜日には一週間分を用意します。

 

連休前は多めに釣銭準備金を用意します。

 

1か月間の流れ

 

掛での支払いでは、月初には、先月分の請求書が納品明細書と一緒に送られてきます。

 

控えている各納品書と請求書の金額をチェックして、支払い金額を集計します。

 

支払先ごとに、支払い先の口座、合計金額をリスト化します。

 

この、仕入れ額や買掛額・未払金額を先月末処理として仕入れ勘定・買掛金勘定、未払金勘定に仕訳け処理をします。

 

支払い日には銀行手続きをして支払います。

 

支払ったら、預金から未払金を支払ったという仕訳処理をします。

 

お得意様に掛で野菜を売ることがあります。

 

そんな時は、直売所側から、野菜を納品すると同時に納品書も渡します。

 

月末になったら、一か月分の請求書と請求明細書を郵送や受け渡しにて渡します。

 

請求分は、売掛金勘定と売り上げ勘定に仕訳をします。

 

入金があったら、売掛金が預金へ入金があった仕訳処理をします。

 

給与計算として、例えば毎月25日など給与支払い日が決まっています。

 

社員は固定給、パート・アルバイトは時間給ですので、ひとりひとりのタイムカードの時間の合計を算出します。

 

給与自体は、給与計算ソフトを使いますので、パート・アルバイトの場合は勤務時間の合計を入力すれば、給与が自動で算出されます。

 

社員は、昇給月の金額をソフトに入力しておけば、毎月、自動でその金額が画面に出ます。

 

給与額が確定したら、銀行に振り込みの手配をして、給与明細を従業員に渡します。

 

給与計算ソフトと、会計ソフトは連動していることが多いので、会計ソフト上にデータを移すことで仕分け処理をすることができます。

 

給与を支払う際に、源泉所得税や、住民税、社会保険料を天引きして、いったん預かります。

 

源泉所得税は納付書を添えて翌月10に日までに税務署あてに銀行振り込みを通じて振り込みます。

 

社会保険料は翌月の末日までに、銀行振り込みか、口座振替で納めます。

 

住民税を天引きしてから納めるという特別徴収の形式をとっている場合は、毎年6月に送られてくる住民税納付書記載の期日までに、期日の都度この納付書を添えて、銀行振り込みで支払います。

 

源泉所得税にしても社会保険料にしても、住民税にしても納付期日を過ぎますと、追徴分を納めなくてはいけなくなりますから、期日は守らなくてはなりません。

 

減価償却として、月末には、建物を所有している場合には建物の減価償却、お店の車の減価償却、レジなどの償却資産の減価償却の仕訳け処理をします。

 

 1年間の流れ

 

夏季、冬季には賞与もあります。

 

その際には、給与計算ソフトに賞与の都度、金額を入力します。

 

金額確定後は銀行に振り込み手配をして、明細書を従業員に渡し、会計ソフトにデータを移します。

 

賞与を支払うときに、源泉所得税や社会保険料を預かりますので、給与支払いの時と同じように、税務署や日本年金機構に納めます。

 

給与を支払うときに、社会保険料が天引きになりますが、その社会保険料の額を決定するためには、4月から6月分に支払った賃金を基に算定基礎届を7月10日までに日本年金機構に提出して、社会保険料を決定します。

 

算定基礎届で決定された社会保険料は9月から翌年の8月まで適用されます。

 

雇用保険などの労働保険は6月1日から7月10日までの間に、前年度の確定保険料と翌年分の概算保険料(見込み賃金から算定)を併せて、労働基準監督署か労働局に労働保険概算・確定保険料申告書にて申告し、納付します。

 

決算時には棚卸をして仕入れ品を数え、単価で掛けて、棚卸資産の金額の合計を算出します。

 

直売所にある仕入品を会計帳簿上の資産としての金額に換算するためです。

 

支払済の1年以上の期間の保険料のように、適用期間が期をまたぐときには、決算時に前払金に振り替えたりします。

 

これを決算整理仕訳といいますが、この決算整理仕訳をしてから、税理士に合計残高試算表など決算に必要な資料を渡します。

 

税理士が決算書や法人税などの申告書を作成、申告してくれますので、法人税が確定しましたら納付します。

 

また、期首(期の初め)には、期末に決算整理仕訳をした勘定科目を、振り替え仕訳として入力します。

 
 あとがき

 

以上が、大まかに、農産物直売所で体験してきた経理の内容です。

 

ほかの農産物直売所で異なることもありますが、参考にしていただければ幸いです。

 

農産物直売所は特に、地方での地場産業としてますます活性化していけば、都市部からの集客として観光客などたくさん訪れてくれることも期待できます。

 

もちろん、地元の農家の活性化や地元の雇用を生み、地域の活性化にも貢献できます。

 

以前は、農家は大変だとか儲からないとか言われていましたが、農産物直売所で販売することで農家の手残りは多くなります。

 

というのも、一般的に野菜を出荷した場合には、スーパーで相場の販売価格になるよう、卸業者の利益も考慮して、安い価格での出荷になってしまいます。

 

例えば、スーパーが100円でホウレン草を販売するためには、農家が40円で出荷して、卸業者が30円の利益を乗せて、70円でスーパーに卸す。スーパーは30円の利益を乗せて100円で売る。

 

農産物直売所の場合、100円で出荷して売れた場合、20パーセントの手数料を差し引いた80円が農産物直売所から振り込まれる。

 

農家の方々も、農産物直売所をうまく利用することで、売上代金を増やすことができ、生活も豊かになります。

 

農産物直売所の経理の仕事は、農産物直売所の運営を陰で支えることで、農家である生産者や従業員の生活にも大きく貢献することができます。

 

生産者の皆様からも、頼られる存在になることもできますよ。

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