管理している建物の屋根裏に動物がいて、夕方になると天井裏がドタバタうるさくてホコリが舞ってくるという苦情を受けました。
ねずみ?と思いながら、屋根に上がり辺りを見回すと・・・なっなんと!アライグマがいる!
それも親子・・・
なぜと思って市役所のホームページを調べると、アライグマに注意喚起のページがありました。
そんなに田舎でもないけれど、もともとは田んぼだった場所に国道のバイパスができて、飲食店や物販店ができて住宅もできた地域です。
実は、アライグマが屋根裏に生息しているということは他人事ではないかもしれません。
というのも、今回の体験を通じて、アライグマが身近にいたということと、野生化したアライグマは力が強く、意外に狂暴なので素人が捕獲しようとするとケガをするから危険だということ、マダニが付いているリスクがあるということを捕獲業者や市の担当者から生の声を聞いたからです。
今回の建物がある地域には今でも水路がたくさんあります。
アライグマがラスカルのブームでペットとして飼われていたのが、捨てられたり、逃げ出して屋根裏を住みかとして、水路を伝いながらごみ捨て場や、飲食店のごみ置き場を回り繁殖したと考えられます。
今回のようにアライグマを発見した場合、市役所に問い合わせをすると、罠の無償貸出をしてくれているケースもあります。
と言っても委託業者が市の依頼を受けて罠を仕掛けるわけです。
住所など詳細を伝えると、委託業者から電話が来ますので、罠を仕掛ける日時を決めます。
ただし、罠を仕掛けるのには条件があります。
まず、期間は市によってさまざまですが、2週間から1か月程度が多いようです。
罠は屋根や敷地の中で、アライグマが通り道としている場所に仕掛けます。
罠を仕掛けたからといってすぐに捕獲できるとは限りません。
中には1年かかったケースもあるようです。
市の罠を利用する場合は土地や建物の管理者(所有者)が一日一回はかかっているか確認をしないといけなく、罠に餌も自分で付けなくてはなりません。
なぜ、一日一回確認しなくてはならないかといいうと、飼い猫やペットが罠にかかって死んでしまうと賠償問題になってしまう可能性があるからだそうです。
市役所の無償貸出の罠を利用すると費用は掛かりませんが、こんな手間があるのです。
でも、無償は魅力的。
というのも、捕獲業者に依頼すると基本料金数万円と表記しつつも罠設置や捕獲状況の現地確認の出張費などオプションを追加すると数十万円になるケースもあります。
他にも罠一台5万円、超音波などの追出し機材一台5万円というように機材の設置単価が決まっていてトータルで30万円から50万円になるような価格設定の業者もありますので、簡単に支払うことは難しくなってしまいます。
当初は市の無償貸出の罠を使用したのですが、この建物までは遠くて毎日行くことができません。
とりあえず、2日間は置いたのですが、おびき寄せるための餌は食べられていてアライグマがいることが改めて分かりました。
ちなみに餌はドーナツやキャラメルコーン。
ほとんどの捕獲業者が罠を仕掛けて捕獲するようですが、天井に糞尿のシミができてしまい、急ぎでアライグマを捕獲もしくは追い出しをしたいので、今回は、市の無償の罠設置を断念し、捕獲専門業者にお願いをしました。
ところで、なぜアライグマを捕獲、追い出したほうがいいのか?
アライグマにはマダニが付いていることがあり、このマダニが人体に悪影響を及ぼします。
というのも、マダニに噛まれると感染症を引き起こすリスクがあります。
日本紅斑熱やライム熱など。
発症すると38度以上の発熱、嘔吐、下痢などの症状が現れすので危険です。
他にも、天井裏が臭くなり、糞尿をされ続けると天井に染み出してきて室内にも臭いを発する可能性もあります。
天井裏で糞尿をされた場合には、雑菌が繁殖するため清掃、消臭、除菌の必要もあります。
アライグマは雑食のため、何でも食べるみたいで、屋根には、とんこつラーメンの出汁を取った骨まで転がっていました。
アライグマは8センチ程の穴さえあれば屋根裏に出入りができ、一見目視では気が付かない隙間からでも出入りをします。
捕獲業者に、屋根裏や屋根の穴や隙間を確認してもらったところ、隙間が5か所あって、その穴から屋根裏中に足跡がたくさんあることが確認できました。
しかも、屋根裏の断熱材を剥ぎ取っていたり、巣を作っていたり、アライグマのやりたい放題でした。
アライグマは子育てまでして、推測によると1年くらいは生息しているようでした。
早急に追い出しや、捕獲をしないと配線まで引きちぎられてしまうリスクもあり、火災の原因にもなります。
捕獲業者には、早急に見積もりを依頼しましたら、約40万円で出てきました。
追い出し用の超音波機器の設置が2台で12万円。
捕獲用の罠設置が2台で10万円。
消臭、除菌作業費が6万円。
その他、モニタリング用カメラを2台設置や穴や隙間を塞ぎ作業費等・・・
でも、罠を仕掛けていつ捕獲できるかわからないで不安でいるよりも、間違いなく追い出して穴や隙間を塞いでもらった方が間違いないですし、精神衛生上負担が少なく済みます。
追い出しや捕獲をしないまま穴や隙間を塞いでしまうと、屋根裏でアライグマが死んでしまいます。
そうなると、臭いを発しますし、雑菌もわきます。
きちんと追い出し、捕獲を確認してから、除菌、消臭をして穴や隙間を塞ぐことで、屋根裏を清潔に保てますし、再び屋根裏に侵入することを防ぐとこができます。
アライグマは、その名の通りクマです。
かわいいからといって放置したり、むやみに触れないようにしましょう。
専用の罠を使用しないと、捕獲しても壊されてしまうようです。
もしアライグマを近所で見かけたら自宅や建物の屋根裏から物音がしないか確認したほうが良いかもしれません。
夕方から夜にかけて活動を始めるようなので、その時間に天井裏から耳を澄ましてみてガサガサ音がしたらいる可能性があります。