先日亡くなった義父。
愛車はトヨタのタンク。
主を亡くしたタンクは寂しそうで、見ているだけで涙が溢れてくる。
いまだ、義父がタンクを洗車している姿が目に浮かびます。
温泉旅行にもたくさん連れて行ってもらったりしたよね・・・ついつい、タンクに話しかけてしまう。
現実を受け入れられない・・・
たくさんお世話になったから・・・
先日、葬儀が終わり、ひと段落したので、義父がいつもお世話になっているカーディーラーの営業マンへ電話し、あいさつをするためにお店まで伺いました。
お店の駐車場に到着すると、迎えに出てきてくれて、深々と一礼。
店内に案内されて、着席。
何度か会ったことがある営業マン。つのる話がたくさん合って、何から話していいのか・・・
そして、私たち夫婦と営業マンは目を合わせると喉を詰まらせながら話し始めました。
先に、営業マンへ義父(奥さんから見ると父)がお世話になりましたと伝えると、営業マンが涙を浮かべ、店内に人がいようがお構いなしに号泣してくれたのです。
そして、お世話になったのは私の方ですとお礼を言ってくださいました。
義父の死に、営業マンもショックで、涙が止まらず、私たちも号泣。
義父が亡くなる2か月前に「次はクラウンが欲しいな」と営業マンへ話されたそうです。
義父はやせ細って到底運転できる体ではなかったですが、車が好きで、営業マンのことも信頼してお気に入りでした。
営業マンは続けて、営業マンと義父しか知らない話までしてくださり、義父の人柄と営業マンの人柄が垣間見れて、悲しくて涙が止まらないのに何だかほっこりして・・・伺ってよかった。
義父は、退職までの間、会社の車で通勤も兼ねていて、退職後は自分の車を買おうと散歩途中にカーディーラーに立ち寄っていたようでした。
当店には、散歩の途中ですからジャージで立ち寄りましたと営業マン。その時、この営業マンはまだ20代。
営業マンがおっしゃるには、数店舗あるディーラーで、しかも、この営業マンから車を購入した理由が、対応が親切丁寧で良くて気持ちが良かったからだそうです。
というのも、義父本人が、他のディーラーに立ち寄ったときは、ジャージ姿の高齢者の突然の来店であまり良い対応してもらえなかったけど、この営業マンは丁寧で親切だったから、この営業マンから車を買うと決めたと言っていたようです。
この営業マンも、メカニックから営業に移り、最初のお客が義父だったようで、営業が不慣れでとにかく丁寧に対応をさせていただいたと言っておりましたが、話していて、人柄の良さが見えるので、営業が不慣れで、たまたま最初のお客が義父だったときに対応が良かったからというのが選ばれた理由ではないと感じます。
この営業マンは素直だし、真面目だし、親切だし、こまかな対応までしてくれますし、人間的に素晴らしいと思うのです。
他のお客様にも丁寧で素晴らしい対応をしてるのだと思います。
義父は、この営業マンから最初にアリオンを買い、その後タンクを買い、次もこの営業マンから買うんだと言っていました。
確かに、営業マンから見て最初のお客は義父だから思い出深いというのもあるでしょうが、それ以上に義父と営業マンの絆があるようにも伺えました。
営業に移ったばかりの営業マンと、自分の車を始めて買う義父。
営業マンは義父の購入をきっかけに成長をしていき、その成長を義父も楽しみにしていました。
販売員とお客という立場を超えていた感じもする。
自宅まで来てカーナビの使い方も教えてくれるし、定期点検の時も車を取りに来てくれるし、たまに顔を出しに来てくれるし、やっぱり、お互いが特別な存在だったのだと思います。
車の販売という場面で見ると理想ですね。きっと。
この時点でまだ車の名義を義父から義母への変更手続きが残っていますが、営業マンが責任を持って行ってくれると、引き受けてくれたので、義父の形見としてタンクを乗ります。
義母は運転ができないので、バッテリーが上がらないように定期的にチェックまでしてくれるというのです。
ですから、タンクのメンテナンスも車検もこの営業マンにお願いして、義父が残したこの縁を大事にしていきたいと思っています。
義父のために泣いてくれた営業マン。
そして、営業マンを泣かせた義父。
二人の思い出と、そして、人柄と間柄を垣間見ることができ、今を、未来をしっかり生きようと思いました。
二人に感謝!