若者の車離れということについて考えた件

昨今、ニュースで若者の車離れが取りざたされています。

 

今の若者は合理的で、特に都市部に住んでいる場合は電車が発達しているので車を買う意味がないとか、燃費の悪い車は必要ないとか、レンタカーで十分だとかカーシェアリングで十分だとか、所有ということに欲をあまり持っていない様子です。

 

そもそも、お金がかかるから所有する意味がないという意見もあり。

 

私が免許を取った約20年前は、免許取得後にはシルビアが欲しいとか、スカイラインGTRが欲しいとか、ランエボが欲しいとか、パジェロがいいとかよく語ったものです。

 

車に対して一つのステータスや、走ることが好きなのでスポーツカーじゃないとだめだとか、スキーに行くから四輪駆動車じゃないとだめだとかこだわりがありました。

 

当時の車は、燃費といえばリッターあたり10キロも走れば十分とされ、セルシオやベンツはリッターあたり5キロくらいしか走りませんでした。

 

シルビアやランエボのようなスポーツカーもリッター当たり8キロ走れば十分でした。

 

カーグッズもたくさん販売されていて、スポーツカーはマフラー交換、ターボ車はブースト計を後から付けることが暗黙のごとく、こぞって付けていたものでした。

 

車を買ってから自分好みにいじる楽しみがあり、車検の範囲内でみんな楽しんでいました。

 

バブル崩壊後も多少のバブルの名残があって(大手証券会社が倒産するという衝撃的な出来事はありましたが)、しかも、就職難という事態はあったものの消えた年金問題のような将来の不安をあおるようなニュースや出来事が少なかったせいか、貯金に走るという人は周りでは少なかった印象です。

 

好きな車にお金をかけることが気持ちの中でも許せる時代でした。

 

あと、今の車みたいに、製造工程に合理性を求め、エンジンが他の車種と共通とか、プラットフォームが共通とか、内装が共通とか、手抜きのように受け取れることが少なかったのでは感じています。

車種ごとに設計して作り上げられていました。

エンジン性能や走行性能など、車種ごとの面白さがありました。

コンパクトカーも内装には人工皮革を使っていて豪華さがありました。

 

今の車は燃費も性能も良く壊れにくく立派です。

でも、面白さに欠けるものが多く、これじゃ車に興味もわかないのではないかとも感じています。

 

つまり、若者の車離れは自動車メーカーにも責任があるのではないかと感じています。

 

中にはアルファードのように若者の心をキャッチして、ステータス化しているような車もあります。

 

それに、若者世代が新車を買いたいと思っても、車が高すぎます。

 

安全装備やハイブリッド化でコストがかかってくることはわかりますが、一部の人たちだけが買えるような車ではいけないと感じています。

 

平成10年くらいまでは、所得に対して車の選択肢は広かったです。

マーチやスイフトは80万円で買えたし、軽自動車は100万円が相場でした。

 

初代ランエボは確か230万円からだったはずです。

 

今や軽自動車を買うにも200万円近く支払わないと買えなし、SUVやミニバンは300万から400万円を出さないと買えません。

 

これじゃ欲しい車も新車で買いにくいし、興味が薄れるのではないかと思います。

 

平均所得がたいして上がっていないにもかかわらず、車の価格が上がりすぎているということが言えます。

 

あと、ニュースでしきりに景気動向や街頭アンケートで景気が悪いとか、株価が下がったとか、不安を煽ることばかり報道するので、貯金や将来の貯え、投資にお金を使いたくなるのも無理はないと思います。

 

ガソリン価格も以前よりも上がっています。

 

車は税金の塊でもあります。

 

購入価格が高く、維持にも税金やメンテナンス費用がかかります。

 

車を持たないほうがお金がかからず、使いたいときはレンタカーやカーシェアリングでいいやとなるのも無理もないことです。

 

今後、若者に車への興味を持ってもらうためには、自動車メーカーも購入しやすい価格かつ、その車に乗ることでこんな楽しいことができる、こんな素敵なドラマが待っているというという車を投入しないといけないような気がします。

 

車の本質って人を乗せて移動するというほかに、走る楽しみがあるはずです。

 

車を所有することで、その車と共に歩む人生があるはずです。

 

私自身、今まで所有した車ごとにいろんな思い出があります。

スキーや温泉、アウトレット、初詣、デート、引っ越し、傷心旅行、家族旅行・・・

 

車に人生経験をさせてもらいました。そして、今も経験させてもらっています。

 

車があるから、行きたいことろへ行きたいときに行けるのです。

電車のように時間を気にしないで夜遅くまで遊んだり、バスじゃないといけないような地方へも気兼ねなく行けたりするのです。

 

車を所有しないほうが、税金や維持費など経費がかからないで済すみます。

でも、車を所有することで、いろんなところへ行けて、いろんな人に出会えて、いろんな経験を積むことができるのです。

 

ですから、今の若者たちにも車を所有して、たくさんいろんな経験をして欲しいと感じています。

 

そのためにも、車について回る税金を下げたり、車検の間隔を3年以上にしたり(今の車は性能が良いので何十年前の車検制度を適用するにも疑問があるため)、販売価格を見直して下げるとか、政府や販売ディーラーにも理解を示してもらいたいと思っています。

 

車は住宅の次に高い買い物といえます。

 

その分、市中にお金も回ります。

 

経済の活性にも一役買いますので買いたくなる車、買いやすい税制を期待したいです。