前置き
不動産屋で働いてみようと考えている方の中には、自分にとって土地や住宅の販売の方がやりがいがあるのか、はたまた、アパートのような賃貸管理の方がやりがいがあるのか一度は考えると思います。
不動産屋というと、新築や中古の家を探してもらったり、家を建てるために土地を探してもらったり、賃貸アパートやマンションを探してもらうというイメージが強いと思います。
結婚して賃貸アパートやマンションに暮らしている夫婦が、頭金が貯まったタイミングや、子供が生まれたタイミングで一戸建てを探すケースは良くあります。
大学生になると、大学近辺にアパートを借りて住むケースもしかり。
一生のうちで一度は不動産屋に関わることがあるのです。
そんな不動産屋ですが、多くの場合、家やビル、土地の売買専門業者とアパートやマンションの賃貸専門業者とに専門分野が分かれていることはご存知でしょうか?
売買でも住宅系に特化していたり、ビルや店舗用地のような大型物件専門に特化している不動産業者もあります。
ではなぜ専門に特化しているのか。
それは、不動産屋の開業している立地にあります。
駅の周りにある不動産屋の窓に貼ってある広告を見ると賃貸アパートやマンション、テナントばかりです。
駅の周辺は、お店やアパート、マンションが多い為、賃貸の需要がたくさんあるためです。
逆に、駅から離れた不動産屋には売地や中古住宅の広告が貼ってあります。
駅から離れると、戸建ての需要があるため、売買の需要が高いのです。
建売専門の業者も駅前というより少し離れた立地にあります。
では売買も賃貸もこなす不動産屋はどこにあるのか。
エイブルやミニミニといったような大手の看板を掲げている不動産屋ではなく、地元の不動産屋で、窓に売買の広告と賃貸の広告の両方を張っている場合は、どちらも業務としてこなしている可能性が高いと言えます。
やりがい
売買から賃貸まで不動産の業務を全部こなす不動産屋は、大変だとか面倒くさいとか思われがちですが、実はとてもやりがいがあり面白いです。
ということで実体験を綴ります。
まず、売買も賃貸も全部こなせる不動産屋は少ないため、不動産に従事する者としてすべてこなすようになると自信が持てますし、お客さんや他の不動産屋と話をしても経験があるなって思ってもらえます。
不動産業務の全体を把握し理解することができるためです。
次に、売買も賃貸も連動してる部分がたくさんあり、業務の全体に携われます。
というのも、例えば、賃貸アパートの入居者募集から契約、管理までを任されているとき、その賃貸アパートの所有者から、このアパートを売りたいと言われたときに、依頼が売買の仲介に切り替わるわけです。
アパート一棟は金額も大きい為、大きな仕事として請け負うことができます。
「仲介はできませんとか、苦手です」となると大きな仕事の機会を逃してしいます。
逆に、テナントビル一棟を買主への売却のために仲介した場合、賃貸管理について理解していないと、そのビルを借りているお店や事務所とどんな契約を結んでいて、今後どのような管理をして行かなくてはいけないか分からないのです。
通常、賃貸アパート・マンションやテナントビルを買主への売却の仲介をした場合、その買主から賃貸管理の依頼を受けます。
ですから、売買と賃貸は連動していると言えます。
また、売買の中でも、ビルや店舗用地のような大型物件は価格も大きく、成し遂げたときの達成感は半端なく大きいです。
やり遂げたっていう爽快感は、携わった者にしかわかりません。
不動産という人の財産を買主へ売買を通じて受け渡す(リレー)という責任ある立場は売買ならではですし、賃貸したテナントが繁盛している様子を喜べるのは賃貸ならでは。
戸建販売の仲介をしたときは、買ってくださった夫婦には感謝の言葉を頂いたこともあります。感謝の言葉って、支えになります。しかも、一般のお客さんに言われると本当にうれしい。
大手の閉鎖した販売店舖の売却の依頼を受けたときは、本社へ行くこともできました。大手の会社に行くことってそうあるものじゃないし、大手の雰囲気を味わうこともできました。
逆に大手の出店用地を探すよう依頼も受けます。
そんな時は、用地買収として、土地の所有者に売ってもらえないか交渉もします。
最初は話さえ聞いてもらえないですが、何回か通うと世間話もできるようになり、その延長で売ってくれる話も出ます。
時には、つながった縁のおかげで、その地主さんが他の土地を売りたいとの依頼の話も来ます。
これって、自分自身が作り上げたかけがえのない人とのつながりですね。
長くなるのでほんの一部しか綴れませんが、こんな風に、売買も賃貸もこなす不動産屋では、不動産のあらゆる経験ができ、やりがいがあるのです。