先日、古い管理ビルの空きテナントに借り手がついて、契約をしました。
いたって普通な不動産業務ですね。
貸す時の内装はスナック仕様になっていて、新しい借り手さんは内装を解体して、コンクリーむき出しの状態(いわゆるスケルトン状態)から、内装を作り上げる計画でした。
そのため、内装の解体は貸主にお願いをして解体業者を手配してもらいました。
そして、解体スタート。
とその前に、スナックの内装の状態で、このテナント内部を見渡すと、なんとなくテナント内部が狭く感じていました。
気のせいかなと思っていましたが、その理由が解体中に判明。
さて、内装の解体工事の進行の確認のため、現地を毎日チェックしましたところ、解体業者さんから、昔の店舗の造作が出てきましたと報告を受けました。
しかも、店舗が変わるたびに、その都度、壁や天井、床の上に新しいお店の壁、天井、床を上から貼り付けて造っていたことがわかり、解体後の廃棄物が多くなってしまったのです。
お店が入れ替わった際に造作を造った回数はおそらく4回。
床のビニール製のタイルは4層に上張りして敷かれていて、壁のボードも重なって鏡まで出てきたり、天井はボードを外すと古いエアコンのような換気する機器が出て来たりで驚きが止まりませんでした。
ビル自体は建築してから40年以上経ち、一番下の層の壁のボードと床のビニール製のタイルには、人体に有害なアスベストが使用されている恐れがあって、むやみに処分ができないと言われ、すぐにサンプルを取り検査機関で検査してもらいました。
結果はアスベストは検出されませんでしたが、古い建材にはアスベストが含まれている恐れがあるということを考えて解体しなければならないことを学びました。
解体作業が終わって、テナント内を見渡すと、とても広く感じて、やはり、昔の度重なる内装の上張りで今まで空間を効率よく使うことができていなかったんだなって思い知らされ、次の借り手さんには広くなった分、空間を有効に活用して繁盛して頂けることを期待しております。
今回の古いビルの内装解体工事(スケルトン工事)で学んだこと
借り手さんが、内装がある状態で引き渡しを受けている場合、その内装の上に内装を上張りして作ることもある。
そして、このように作ることで、空間が狭くなることもある。
さらに、スケルトン工事の際に廃棄物が余分に出る恐れがある。
テナントが入れ替わるたびに内装工事を上張りで施工すると、新しく配線が敷かれてどの配線だか把握しにくくなる恐れがある
古い建材が残っていると、アスベストが含まれている可能性があり、検査に日数と検査費がかかり、処分するには処理場が定められているなどで費用がかさむ。