会社の経理担当者や商業高校の生徒の方々は簿記の3級からチャレンジすることが多いのではないでしょうか。
特に経理を担当されている方は実務に関わるので必須ですね。
私自身、中小企業の経理責任者を担当したことがありますが、前任者が辞めるにあたって急遽採用していただきました。
ちなみに経理に興味があっても経験はゼロ。前任者は今までの経理処理された資料と仕訳を参考に進めてくださいと言うのみ。
一応、責任感は強い方だと思うので、しっかりやろうと簿記の勉強もはじめました。
さて、肝心な勉強方法は・・・・
正直、王道というよりも、効率の良い勉強方法といえます。
一言で言うと応用問題で基本をマスター。
通常、基本をしっかりとマスターしてから応用に移行すると思いますが、それでは時間がかかります。
簡単に言うと、基本をある程度理解した時点で応用に進む。
すわわち、応用問題で基本のすべてを網羅するということです。どういうことかといいますと、基本的な細かなことばかりを学習していても全体が把握できないので、基本を抑えたら応用問題で総合的な学習をする。そうすると応用問題の中で基本をマスターすることができます。
つまり、合計残高試算表の作成、貸借対照表・損益計算書作成などの問題を解きながら、そこに出てくる仕訳処理作業で仕訳をマスターしつつ、表計算もマスターする。この複合的なやり方が一番効率がいいといえます。
簿記の学習内容のゴールは仕訳作業してから合計残高試算表を作成し決算整理仕訳を経て最終的な貸借対照表、損益計算書を作成することです。
ということはゴールを見据えた学習をする必要があります。その過程で仕訳作業という基本的なパーツが現れるのです。
簿記の場合、まず、最初に①貸借対照表上の資産、負債、純資産の配置②仕訳することによる資産、負債、純資産の増減が仕訳票上どのような配置になるのかを理解することが大切です。
例えば
資産は借方(左側)に配置されると数字が増え、貸方(右側)に配置されると減る
負債は貸方(右側)に配置されると増え借方(左側)に配置されると減る
いわばタスキガケ(配置をクロスさせる)をすることで数字を増加させたり減少させたりします。
これは費用、収益にもいえます。
費用は借方(左側)で増え、貸方(右側)で減る。
収益は貸方(右側)で増え、借方(左側)で減る。
こう見ると、資産と負債は、数字が増える配置と減る配置が反対同士になっていることがわかります。
そして 資産-負債=純資産
純資産は貸方(右側)にある負債の残額になるので貸方(右側)に配置される構造になるわけです。
簿記の構造が最初に理解できれば、その構造に費用科目や収益科目、資産科目、負債科目などを当てはめて仕訳処理をしけ行けばいいわけです。
例えば、電話代として現金1000円を支払った場合。
(借方) 通信費 1000 / (貸方) 現金 1000 となります。
通信費という費用が増えたので借方、現金という資産が減ったので貸方
社用車を500000円で買い現金を支払った場合。
(借方) 車両 500000 / (貸方) 現金 500000
このとき、車両という資産が増えたので借方処理、その反対に現金という資産が減ったので貸方処理。資産が現金から車へ姿を変えたといえます。
基本構造が理解できたら仕訳の学習を経て合計残高試算表や精算表、貸借対照表、損益計算書の学習をします。
最初は仕訳をするのに時間がかかります。資産科目や負債科目、費用科目、収益科目の貸方借方の位置に戸惑うと思います。
それでも、仕訳作業を進めていくとすぐにわかるようになります。最初は時間がかかるものですから諦めずに進めましょう。
合計残高試算表などの表計算問題は仕訳をしてから表に数字を記入して合計額まで算出するため、一問解き終わるのに、やはり最初は1時間くらいはかかります。何度も解くうちに30分位で解けるようになりますので頑張りましょう。また、表計算では、計算ミスや記入ミスで合計の数字が合わなくなる時がありますが、焦らずに見直すことが肝心です。本試験では、万が一、合計の数字が合わないからと言って大きな減点にはなりません。
なお、今回のテーマに関わりますが、仕訳を理解するのに、仕訳問題ばかりにこだわってしますと表計算がおごそかになってしまいます。仕訳作業は簿記の学習の中のいちパーツに過ぎません。ですから、そのパーツを組み立ててつくる最終形の合計残高試算表や貸借対照表などの作成の練習しましょう。その中で仕訳もマスターできます。
あと、理屈を覚えることも必要ですが、理解することに重点を置いた方が本試験では有利だと思います。
なぜなら、いくら理屈を覚えたとしても見たこともないようなような問題には対応が難しくなりますが、理解は応用が利きます。
教材の使い方としては、テキストを一通り学習します。そのとき、実際に仕訳や合計残高試算表などを書きながら進め、完全に理解できなくても問題集に進みます。
簿記の学習の場合、不思議とわからない項目があっても、進めていくことで突然理解することができるときがあります。ですから、わからないからといってそのことばかり理解しようとして進まないのは絶対にやめた方がいいです。わからなくても進みましょう。
テキストがの学習が終わったら、問題集の仕訳問題を2回くらい解いて、後は表計算の問題をひたすら解きます。
3回くらい解いたころには力が相当付いています。
表計算は点数のウエイトが大きく時間のかかる作業です。
表計算をたくさん練習して一緒に基本もマスターして合格を勝ち取りましょう!