初対面の人や、営業先の担当者、思いを寄せる人などからは、話をしていくうちに段々打ち解けて、好意を抱いてもらったり、信頼関係を築いたりするわけですが、話が苦手だったり、なかなか話が弾まなかったり、話のネタが相手にとってつまらなかったりというような失敗をしたなっていうことありませんか。
最近は、仕事柄、地主さんから社長さん、取引業者さんなどいろいろな方々とお話しさせて頂く機会が本当に多いです。話好きの方から、寡黙な方など様々ですが、打ち解けて信用され、さらには信頼関係が築けるのは、やっぱり話ができることではないかと思っています。
そうえば、少し前のことです。
とある有名企業の担当者に事前に販売の資料を送って、最終決済の段階でその大企業の社長さんと直接交渉してほしいとのお話を頂たときのことです。そのときは、行く道中、何を話そうか考え込みすぎるくらいまで考え込みました。あげく、どんな人柄なのかとか、怖い人なのかなとか、逆に気さくな人なのかなとか、何に興味があるのかなとかいろいろ頭を駆け巡り一人混乱状態。
実際にお会いした時は緊張しすぎて、最初のうちは声がのどに詰まるような感じでうまく話せなかったです。でも、気さくな方で、世間話を振ると、ご自身の考え方や、今までやってきたことなど話してくれて、共通の趣味の車の話までできました。最終的には、金額の交渉こそありましたが、契約締結のお話まで頂き結果成功でした。このとき、社長さんは、こちらの質問や問いかけに対して、たくさん話してくれて、かつ話も面白かったので、必然的に聞き手に回った感じでした。
このとき、うなずきや、話のポイント部分へのオウム返し、社長さんの自慢したい部分へのリアクションを取っていました。
ところで、今回の社長さんの話のこともそうですが、会話は、一方的に話すことではなく、相手が気持ちよく話ができる環境を作ることが大切といえるのではなかと思います。
そこで、今までいろいろな方との話した中で、気が付いた話し方(特に聞き手)のポイントを参考までに書いてみます。
基本的に人は話したい生き物
まず、多かれ少なかれ、人は話したい生き物です。楽しかったことや、つらかったこと、自慢したいこと、武勇伝、面白いネタ、成功したこと、失敗したことなど気持ちの中にとどめておくということはほとんどの人はしないと思います。
誰かに話したくなるものです。
さらには、話すことで共感を得たいというわけです。
話を苦手にしている原因は相手からの評価を気にしているから
話すことが相手との距離を縮めるとわかっていても、話が苦手で相手とどう話していいかわからないと思うことがあると思います。
自分の場合は、気の合う仲間との世間話や車などの趣味の話はよく弾むのですが、初対面の方を目の前にしたとき、何を話せば良いのか分からなかったり、また、営業先では雑談をせず仕事の話をしなければ相手に悪いとか、話で楽しませなければいけないとか、見当違いなことを考え始めた時期があり、話をすることが怖くなったことがありました。
今思うと、その感情の根底には「相手からの評価を常に気にしていると」いうものがあり、変な話題を振ったら嫌われるとか、不機嫌にしてしまうのではないかとか一方的な思い込みが話すことを恐怖心に変えていました。
ちなみに、沈黙すると相手に悪いという恐怖から、話をリードして途切れないように話のネタを振ったりして、相手の興味あるなし関係なく話し続けることも良くありません。沈黙の時間があってもいいのです。沈黙しても、相手が話し始めてくれたりもします。
話を引き出して聞き手に回る
今では、話をするということへの恐怖心も少なくなくなり、初対面の方でも、社長さんでも地主さんでも話すことへの抵抗がなくなり会話もスムーズになったと思っています。
会話のポイントとしては、やはり、自分が会話のメインにならず相手に話してもらうということが大事だと思います。話は、しゃべっている本人が一番楽しいわけですから、話を奪ってしまっては、相手からしてみるとつまらない時間になってしまうわけです。
逆に、話をきちんと聞いている姿勢を取れば、相手はきちんと理解しようとしてくれている、信頼できそうだと思ってくれるわけです。
ですから、相手に話題を振り、話を始めたらうなずきながらきちんと聞く。聞き手に徹するわけです。面白い場面は笑顔で、つらい場面はつらそうな表情で聞く。そして話の大事な部分はオウム返しをする。アクションもつけて。話の中で気になったことやわからないことを質問するのも良いです。
例えば、ちょっとプライベート的ですが、相手が「先日車買ったんです」と言ったときは、「車買ったんですか」と目を大きくしながらオウム返し。さらに「どんな車買ったんですか」と付け加えれば話が広がり、相手は「スポーツカーですよ」とか、「こんな性能なんですよ」とか、「これから山にドライブの予定です」とか話を相手の方から広げてくれます。相手が、話した内容にまた大きなリアクションでオウム返し。「性能いいですね」とか「山行かれるのですね、どちらの山ですか」とか・・・
相手が楽しそうに話しをしてくれたら、会話大成功です。
さらに、自分が興味がなくても相手の話に共感してあげることが相手から好意を抱いてもらう秘訣でもあります。
「スポーツカーかっこいいですね」とか「憧れます」とか話せば、相手はきっと楽しく話してくれます。
相手の話に同調して話の内容を合わせていけば相手の気持ちに寄り添うこともできます。
初めて聞くような内容であれば質問をして理解しようとする熱心な姿勢もよろこばれます。
話の出だしは雑談がいい
いきなり核心を突いた重要な話をしてもうまくいくとは限りません。
特に取引先での交渉や商談に言えます。
ですから、最初は雑談から入り、相手の緊張をほぐしたり、距離感を縮めるほうがいいです。
雑談では、天気や、取引先の会社の雰囲気(良い意味で)、相手が見つけているもの(時計とか)など見回してすぐ目につくものや、ニュースなど身近なネタから入るといいと思います。
そのあとに自己紹介して自分たちを理解してもらうのもいいでしょうし、相手がどんな会社や人なのか聞いてもいいと思います。でも、最低限相手のことを調べていくことも大事です。
結局は相手との会話の内容に寄り添い、コミュニケーションがきちんとできるということが、話ができるということに結びつくのだと思います。
まとめ
会話の中で、信頼関係を築いたり好意を抱いてもらい打ち解けるためには話を通じたコミュニケーションが大事です。
コミュニケーションをうまくとるためには、聞き手に回りつつ、うなづきやオウム返し、リアクションをとり、話を掘り下げたり、連想ゲーム的に話の内容を広げたり、共通の話題を見つけて盛り上げることができることが大事といえます。
決して、話の展開が見えてきたら先回りをしてこちらからは話してはいけません。良い調子で話している相手の話をさえぎることになりますので。
相手が話し終われば、こちらの話も聞いてくれます。大事な話はそのタイミングで話せば、相手は受け入れてくれやすくなるはずです。