普段何気なく見ている東京タワー。
紅白の色がめでたいという感じがして、首都高を走っているときや都内を歩いているときに、ついつい見えるか気にしてしまいます。
スカイツリーの開業で電波塔の主役の座を渡しましたが、やっぱり今見てもいいものですね。
日本の経済成長の象徴というか、子供のころの憧れの建物というか。懐かしい記憶までよみがえらせてくれます。
先日、たまたま港区内を移動中に東京タワーの近くを通りがかって、そういえば、東京タワーってなんで紅白(赤白)だろうと疑問に思いました。今まで紅白で大きくてきれいな鉄塔としか思わなかったのに。
そんなわけで、ちょっと調べてみました。
余談ですが、背の高い鉄塔や高層ビルの屋上にある電波塔のような鉄塔も気にしてみると紅白の柄が多いことがわかりました。
生まれ故郷の群馬の田園風景の中には背の高い送電線の鉄塔が、怪獣のように並んでいて、みんな紅白です。しかも、夜になると赤い光が点滅するので、ちょっと怖い・・・
さて、東京タワーなど背の高い鉄塔が紅白に色付けされている理由は、航空法という法律により、航空機の安全な飛行や航行への障害防止を目的としているからです。
つまり、背の高い鉄塔などの構築物には赤白の塗装をして目立つようにしなさいよということなのです。なお、ビルなど背の高い建物や建築物には点滅する電灯をつけなさいよということになっています。さすがにビルを紅白にするわけにはいきませんからね。
すなわち、地表や水面から60メートル以上の高さの、鉄塔のような骨組みの構造をしている建造物や細長い煙突は昼間障害標識という赤白の塗装が義務付けられているということです。
骨組み構造なので単色だと見えにくいということなのだと思います。
また、夜間に飛行する飛行機に対しては、地表や水面から60メートル以上の高さの高層建物や、煙突、鉄塔などの構築物の場合、ここにありますよと存在を示すために航空障害灯という赤や白い色の光を点滅させることが義務付けられています。
結果、航空法の規定によって東京タワーのように背の高いの鉄塔は紅白(赤白)の柄になっているというわけです。
そういえば日本で最初の航空障害灯が設置されたのがなんと東京タワーだそうです。まさに、通りがかりでふと気になったこの東京タワーです。不思議なものですね。
ちなみに、牛久の大仏も高さが120メートルあるので航空障害灯が付いているようです。
一方、スカイツリーは白く、赤白の柄にはなっていません。その理由は、高光度航空障害灯を設置しているからです。LEDを採用して、昼夜ともに白色の明るい光で発光する障害灯を設置しているのです。
高光度航空障害灯のおかげで、その存在が認識できるということですね。
スカイツリーからわかることは、鉄塔は赤白の柄の昼間障害標識にしなければならないことが原則なのですが、高光度航空障害灯や中光度白色航空障害灯を設置した場合は赤白の柄にしなくても良いことということです。
昼間でも、これら障害灯を点灯することで安全性が確保することができているということです。
都会の中で、背の高い鉄塔を作る場合、景観に配慮しなければならないこともあると思います。
もし、スカイツリーが紅白だと、なんだかおかしいですよね。
普段ななにげなく目にするものにも色々な不思議がありますね!