不動産業について, 仕事

仲介業は調整が難しいけど何とかなる

不動産もそうですが、仲介業というのは本当に難しいですね。

 

売主と買主、貸主と借主の間に挟まれて、お互いの言い分を聞いていると頭が痛くなります。

 

もう、いい加減にして!と言いたくなります。

 

売主は高く売りたいし、買主は安く買いたいし。売主は値下げに応じないとき、買主は相場はいくらだとか、不動産のアラを探して安くしてもらうよう交渉してくれというし。

 

売れないと仲介料も頂けないし・・・

 

売主の利益と買主の利益と自分たちの利益の落としどころが大変。

 

まー、そこがやりがいと言えばやりがいですけど、ストレスたまります。

 

賃貸の場合、例えばテナントが入居するときに、前の借主が置いていった(残置した)エアコンや照明器具のような設備の故障時の修理を大家側にお願いしたいと言われるときがありますが、大家側からすると、もちろん、前のテナントが置いていった物だから修理はしないと言います。

 

そんな時は、きっぱりと、残置されたものなので、大家側には修理などの責任はありませんと言い納得していただきます。

 

借主がテナント内に間仕切りや天井、照明器具、厨房、テーブル、椅子など設置してお店としての造作をしたものを、退去の時に買い取って欲しいと言われることもありますし、退去時の現状に戻すのが手間なので置いていきたいと言われることもあります。

 

でも、内装の造作の買い取りは大家側にとって意味がほぼないと言えますので断ります。

 

買取金額が数百万円というケースがほとんどですし、買い取ってしまうと、そのお店の業態しかできなくなりますので、入居者募集に制限が生じます。

 

また、明け渡し時に造作を置いていくことは、大家側で取り壊して、テナントの入居時の状態に戻す費用が発生しますし、そもそも、無償で置いて行ってもらっても募集する業態が限られてしまいます。

 

ですから、入居時に戻す工事をした場合の見積もりを取り、その分の金額を借主側から大家側に支払ってもらいます。

 

そのあたりは、きちんと入居時に調整する必要があるわけです。

 

また、テナントが退去するときに、入居時の状態に戻す工事の際に、大家側の認識と借主側の認識がズレていて、大家側からは、ここをやり直してほしいとか、ここまで直してほしいと言われることもあります。逆に借主側からは、そこまでする必要はないですとか、応じられないと言われることもあります。

 

ですから、入居の時点でどこまで工事をするのかを決めておけばいいのですが、やっぱり、いざ入居時に戻す工事をすると、細かい部分で認識のズレが出ることがあるのです。

 

そんな時、貸主と借主の間に挟まれて、ひどいときは、お互いの感情のぶつけどころの標的になってしまうこともあります。

 

でも、感情的になって言い返したり、電話に出ないようにしたりする対応はせずに、あくまで冷静に状況を確認しながら的を得た反論や意見を言うことが必要です。

 

冷静に意見を言えば、相手も「まずいこと言ったかな」とか、「言いすぎました」と我に返ります。

 

冷静になったことろで、お互いの譲歩を引き出して、落としどころを見つけるわけです。

 

しかしながら本当に仲介業は大変です。

 

相手の感情や考えを察しながら、納得してもらうように話す必要があるし、こちら側が感情的になってもいけませんし・・・

 

でも、お互いの落としどころを見つけたときは、意外と、双方すんなりと着地して納得もしてくれることも多いです。

 

仲介業は調整が難しいですが、双方の利益を考えながら、誠意をもって対応すれば何とかなると感じています。