2023年も東京をはじめとする都市部での土地価格が高値で推移しています。
世田谷では坪500万円とか浦和区では坪300万円もあり高いです。
そのため、建売住宅の販売価格も高騰して、今まで2階建ての建売住宅エリアが、今や3階建ての建売住宅が主流となってきました。
3階にすることで、土地面積を20坪前後に抑え販売価格を低くする目的もあります。
それでも、土地が坪200万円であれば20坪で4000万円になります。
その土地価格に建物価格が加わり6000万円前後の販売価格になります。
30年や35年の長期ローンを組んで購入する方が多いと思いますが、購入する方々は本当すごいです。
さて、ここ数年で都市部の土地価格が高騰した理由に何があるでしょうか?
よく耳にするのが、持ち家を求めて購入する方が増えたとによる需要の増加や低金利が原因。
需給バランスの原理のように買い求めるお客様が増えれば、それに伴い価格も高騰するということですね。
確かに、その通りです。
例えば、とある土地が今までの相場で坪50万円だったしましょう。
そこに、需要の高まりの影響を受け完売し、ほかにも購入意思のあるお客様がこのエリアを探されていれば、次に売りに出てくる土地は売れるわけですから坪60万になり、坪60万円で買ったお客様が現れれば、これが販売事例となり、今度は坪70万円になります。
こんな繰り返しが重なるうちにいつしか坪100万円になっていたりもします。
イメージを掴みやすく例えてみましたが、要は、売れば販売価格を決める上での基準になるわけです。そして売れると分かればその価格よりも高く設定するわけです。
ただ、土地価格が高騰する理由はこれだけではないと、不動産を扱う仕事をしていて感じます。
というのも、土地の販売をする不動産業者が、売れるエリアに目を付け、現状の相場付近で買い、利益や仕入れ経費を上乗せし、その相場よりも高く売るケースが多々あるからです。
例えば坪100万円の相場エリアが人気だった場合、相場の坪100万円付近で仕入れて坪130万円で売る。売れれば販売事例になり、他の不動産業者が坪130万円付近で購入し仕入れ経費と利益を乗せて坪150万円で売る。そして売れれば同じように高く仕入れて、さらに高く売る。
その繰り返しでいつしか、今までの相場は過去のものになってしまう。
えっ!とびっくりする価格で売り出されている土地がたまにあります。
値付けは自由ですが、あまり高く売り出すのもいかがなものか・・・
万が一、誰かが買えば販売事例として、販売価格の参考にもされてしまうので、ほどほどにして欲しいものです。
あと、お客様で、以前の相場までしっかりと調べて購入される方は少ないと思います。
(ローンを組んで買うかが焦点になっているでしょうから値引き交渉があったとしても)
今の価格が適正かどうかを不動産会社の意見を鵜呑みにせず、しっかりと自身の目で価格高騰中を見て、理解し購入したほうが良いと思います。
最後に、とある人気エリアの地元不動産業者に伺った話ですが、「もはや地元の不動産屋でも相場が分からない状況になった」という声がありました。
しかしながら、ここ最近の土地価格の値上がりは激しく、私たちサラリーマンの立場で家を購入ができるのかと疑問に思うほどの状況とも感じています。
不動産を取り扱う立場から思うことは、無理をして家を買わないことも選択肢かと思います。
あくまで無理をしてはいけないということで、ローンの支払いが生活に支障がなければ問題ないと思います。
家のためではなく、自分や家族のために生き欲しいと感じています。