観光地や道の駅、生活道路沿いに最近よく目にする農産物直売所。
観光のついでの立ち寄りもしかり、農産物直売所の野菜を目的に行く価値もあります。
さて、皆さんご存知の通り、農産物直売所の野菜は新鮮で鮮度が良く、食べごろの時期に収穫され販売しています。
新鮮な理由
その新鮮な理由は、毎朝、生産者の方々が、食べごろの時期を見計らって収穫して、すぐさま袋詰めにして、農産物直売所の店頭に並べているからです。
農産物直売所は店内の陳列台を生産者に貸して、手数料を受け取っている形態をとっているため、開店前に生産者が朝採れ野菜を持ち込んで陳列します。そして、売れ残った野菜は、閉店後に生産者自ら引き取りに来て、持ち帰ります。その日採れた野菜はその日にしか販売できないルールがあるため、直売所の野菜は鮮度があるわけです。
また、農産物直売所の野菜は食べごろの時期に収穫もされています。
例えば、みんな大好きなイチゴ。
イチゴは熟して甘みが増して食べごろの時期に収穫して直売所の店頭に並べています。
ですから、ヘタの葉が枯れかけている場合がありますが甘くておいしいのです。一見、見た目は商品なのかと思ってしましますが、これが熟して一番の食べごろなのです。
一般的に、お店で並んでいるイチゴは、店頭に並ぶ頃に赤くなるようにあらかじめ計算してまだ青いときに収穫しています。ところが、青い時期に収穫すると、たとえ赤く色が変わっても甘さが十分に増すわけではないのですく、酸味が強調されたイチゴになってしますわけです。
つまり、農産物直売所に並んでいるイチゴは熟した時期に収穫しているため、甘さも十分、酸味も適度という感じで食べやすいというわけです。ただし、熟して食べごろなので痛むのも早いです。ですから、早めに食べた方がいいです。
安さの秘訣
農産物直売所の野菜は一般の価格より安いです。
仮に価格がほかのお店と同じでも内容量が多いです。
一見、安くないのではと思っても、分量を見てみましょう。
では、なぜ安いのか。その理由は、店頭に並ぶまでの流通過程が違うからです。
一般的に、生産者が収穫した野菜は農協に集められ、卸売り業者が買い付け、お店に並ぶという過程で、流通するにつれて各々が利益を乗せるので価格が上がります。
例えば、ホウレンソウをスーパーのようなお店が100円で売る場合、生産者は30円くらいで出荷します。その後、農協を通過し、卸売業者が買い付けるときには60円、お店が売るときには100円という具合です。
農産物直売所で野菜を売る場合は、生産者が直接農産物直売所の店頭に並べて売るため、ダイレクトに売ることができます。直売所の陳列台を借りて、10%前後から20%の手数料を支払っている形だからです。先ほどの例でいうと、ホウレンソウを直売所の店頭で80円で売っても、直売所への手数料を差し引いても60円くらいは生産者の利益になります。
一般的な流通に比べて生産者の手元に残る額が多くなるので安く販売できるのです。
生産者の顔が見えるかも
最後に、タイミングが合えば、追加搬入に来た生産者の方に合うことができます。
その時に話しかけてみると面白いと思います。生産者自身こだわりを持って野菜を作っているので、栽培の仕方や食べ方など教えてくれるかもしれません。
そんなこんなを書いてきましたが、私自身、以前、農産物直売所で経理をしていました。朝の搬入から閉店後の売れ残り野菜の引き取りの立ち合い、追加搬入の連絡など生産者とのふれあいや、店頭での販売もしていました。
今後、農産物直売所は増えていくと予想されます。近所にあったり、できた場合は利用してみては。